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ビル用マルチエアコンの仕組みとは?種類や導入するメリット、注意点を詳しく解説

ホテルや病院、オフィスビル、テナントビルなどで広く利用されているビル用マルチエアコンですが、身近な存在でありながらもどのような仕組みで冷暖房を行っているのか把握していない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、ビル用マルチエアコンの種類や仕組みについて解説します。

また、ビル用マルチエアコンのメリットや導入する際の注意点についても説明していきますので、ビル用マルチエアコンの購入を検討している方や、実際に使っている方は、ぜひこの記事を参考に適切な管理・運用に役立てていただけたら幸いです。

ビル用マルチエアコンとは

ビル用マルチエアコンとは

そもそも、ビル用マルチエアコンとは、1台の室外機に対して、容量やタイプが異なる複数台の室内機を接続して個別に運転できる空調システムを指します。

ホテルやテナントビル、病院などのように、幅広い環境で使えるもので、部屋ごとにエアコンの運転調節を行えるのが特徴です。

建築関係者の間では、略して「ビルマル」と呼ばれることもあります。

通常の業務用エアコンとの違い

ビル用マルチエアコンと通常の業務用エアコンでは、店舗やオフィスなど業務用として使われている点は同じですが、異なる点もいくつかあります。

フロア全体で一括で運転する業務用エアコンに対し、ビル用マルチエアコンはフロアごと個別に運転します。

また、業務用エアコンは同じタイプ・容量の室内機に限られますが、ビル用マルチエアコンは異なるタイプ・容量の室外機を運転できるのです。

さらに、室内機と室外機の電源が分かれているなど、空調機器の設計や使用方法の自由度が高い点がビル用マルチエアコンの特徴です。

ビル用マルチエアコンの冷暖房の仕組み

ビル用マルチエアコンの冷暖房の仕組み

ビル用マルチエアコンは、たった一つの室外機で、さまざまな容量を持った複数の室内機を個別に操作することができます。

ここでは、ビル用マルチエアコンの冷暖房の構造や仕組みについて説明していきます。

1台の室外機で複数の室内機を個別運転が可能

ビル用マルチエアコンは、運転中の室内機の合計容量を室外機に伝え、それに合わせて室外機は容量を抑制して運転を行います。

各室やゾーンごとの個別制御や運転に対応したヒートポンプによる空調方式を採用しており、一般住宅のルームエアコンを高性能かつ業務仕様にした、室内機と室外機を冷媒管でつなぐシンプルな設備構成となっています。

製品にもよりますが、ビル用マルチエアコンは室外機1台で10台以上のエアコンが設置可能です。

室外機と室内機をつなぐ配管の長さに余裕がある

多くのビルで利用されているビル用マルチエアコンは、室外機と室内機をつなぐ配管の長さに余裕があるため、空調設備設計の自由度が高い点が特徴です。

ビル用マルチエアコンの冷媒配管の総配管実長が 1,000m、室内外機の高低差の許容範囲は、室外機が上であれば50m、下であれば40m以下と余裕があります。

そのため、大規模ビルにも対応可能です。

室内機と室外機それぞれ電源がある

ビル用マルチエアコンは、各部屋ごとにエアコンの操作ができるよう、室外機と室内機は別々の電源になっています。

ですから、使用していない室内機への電力供給は行われません。

そのため、使用していない室内機の電源をOFFにしたり、時間帯や使い方に応じて細かな調整を行ったりすることが可能です。

親機と子機に分かれている

ビル用マルチエアコンは親機と子機に分かれており、一般的には親機が冷房であれば、全ての子機も冷房、親機が暖房であれば子機も全て暖房になる、冷暖同時のタイプです。

しかし、冷暖フリーと呼ばれる高品質なタイプであれば、それぞれ独立して温度を設定できるため、親機が暖房であっても、子機は冷房に設定できるなど、自由に設定ができます。

ビル用マルチエアコンの種類と仕組み

ビル用マルチエアコンの種類と仕組み

ビル用マルチエアコンには、主に以下の6種類があります。

  • リニューアルタイプ
  • 冷暖同時・切替タイプ
  • コンパクトタイプ
  • 氷蓄熱タイプ
  • 高暖房タイプ
  • 水熱源タイプ

それぞれの特徴や仕組みを詳しく見ていきましょう。

リニューアルタイプ

リニューアルタイプは、既存の冷媒配管や配線を利用して、エアコンを入れ替えができるタイプです。

入替えの作業工程が通常よりも少ないため、スムーズな空調更新が行えます。

また、工事規模や期間の短縮も可能となるため、サービス業や病院・福祉施設などでスムーズなサービス提供を行いたい場合にはリニューアルタイプがおすすめです。

既存の冷媒配管や配線を利用するため、コスト削減にもつながります。

冷暖同時・切替タイプ

冷暖同時・切替タイプは「冷暖フリータイプ」とも呼ばれ、ある部屋では冷房、ある部屋では暖房といったように、1台の室外機で冷房・暖房の同時運転が可能なタイプを指します。

例えば、窓からの太陽光やパソコンなどの発熱などにより、部屋ごとに温度差が生じる場合に冷暖フリータイプが有効です。

吸排熱を同時に利用できるため、省エネ性能にも優れていますが、各室内機に冷暖切替ユニットの設置が必要になるため、設置費用が割高になる点をおさえておく必要があります。

コンパクトタイプ

コンパクトタイプは、クレーンを使わずに室外機を搬入できるように作られたコンパクトなサイズのエアコンです。

室外機がコンパクトであるため、メンテナンスを行うスペースも確保でき、メンテナンス効率が上がります。

コンパクトタイプは特に、立地的に大きなクレーンが必要な場合やクレーンで運べない立地の場合、室外機の設置場所を確保するのが難しい場合などにおすすめです。

氷蓄熱タイプ

氷蓄熱タイプは、室外機と室内機の間に氷蓄熱槽が付いているタイプです。

氷蓄熱タイプでは、冷房を使用していない夜間に氷蓄熱槽で氷を作っておき、冷房使用時にその氷を使うことで、電気代が節約できるほか、高い運転効率が実現し、省エネが期待できます。

冷房をよく利用する地域には氷蓄熱タイプが向いています。

高暖房タイプ

高暖房タイプは、北海道や東北地方など外気温が極端に低い寒冷地で効果を発揮できるタイプです。

外気温が低いと室外機に霜がついた状態で暖房運転を続けることになるため、その霜を溶かすために部屋のエアコンを一時的に停止する場合があります。

高暖房タイプは、このような場合でも快適な室温を維持するために凍結防止のための大きい熱交換器や、冷媒を素早く高温にできるよう高速運転できる性能の高いコンプレッサーなどが備わっています。

水熱源タイプ

水熱源タイプは、長尺化が容易で高層ビルや地下施設などにも配置しやすい水の配管を利用したタイプです。

暖房の際は室内に室外の熱を組み上げて温め、冷房の際は室外に室内の熱をくみ上げて冷やす仕組みです。

空気よりも温度が一定に保たれやすい水を熱源として利用しているため、高効率で安定した冷暖房運転が可能となります。

ビル用マルチエアコンのメリット

ビル用マルチエアコンのメリット

1台の室外機に対し、異容量、タイプ違いのエアコンを個別に運転できるビル用マルチエアコンは、以下のようにさまざまなメリットがあります。

  • 効率良く運転できる
  • さまざまな室内機と組み合わせられる
  • 購入費用が安い
  • 省エネ効果が期待できる

ここでは、ビル用マルチエアコンの主なメリットを詳しく説明していきますので、導入を検討している企業の方は参考にしてください。

効率良く運転できる

マルチエアコンの場合、複数台ある室内機のうち、どれか1台が暖房運転していれば、室外機が温まっている状態です。

そのため、別の部屋で運転した際に温まるまでの時間が短く済みます。

このように、効率の良い運転ができる点が大きなメリットです。

さまざまな室内機と組み合わせられる

業務用エアコンの場合は既存の室内機しか選べませんが、ビル用マルチエアコンは複数の種類から自由な組み合わせが可能です。

ビルマルの室内機はエアコンの室内機は壁掛けタイプが一般的ですが、他にも以下のタイプがあります。

  • 壁掛型
  • 天井埋込カセット型
  • 壁埋込型
  • 床置型
  • 天井ビルトイン型 など

そのため、広いスペースには天井埋込カセット型を導入して外気の影響を受けにくくしたり、集中的に温めたい場合には床置型の室内機を選んだりするなど、目的や用途に合わせて使うことができます。

購入費用が安い

ビル用マルチエアコンは室外機が1台で済むため、導入費用が安くなります。

例えば、5台のエアコンを設置する場合、それぞれに室外機が必要になる場合と比べると、大幅なコスト削減となります。

さらに、室外機が少ないことで設置場所によっては工事費用が抑えられる可能性もあるのです。

ただし、故障して買い替える際は取り外し工事や設置工事も必要になるため、まとまった出費が必要になる場合もある点をおさえておきましょう。

省エネ効果が期待できる

ビル用マルチエアコンは、高い省エネ性能が魅力です。

室外機と室内機が別電源で個別運転するため、使用していない部屋の室内機を切ったり、部屋ごとに細かな調整を行ったりすると、高い省エネ効果を発揮します。

例えば、テナントの休業日がバラバラな場合や、ホテルや病院のように、その時によって使わない部屋があるような場合に有効です。

ビル用マルチエアコンを導入する際の注意点

ビル用マルチエアコンを導入する際の注意点

ご紹介した通り、メリットの多いビル用マルチエアコンですが、気をつけなければならないポイントがあります。

詳しく説明していきますので、導入の際には事前に注意点を確認しておきましょう。

室外機が故障するとすべてのエアコンが使えなくなる

導入時の費用を安く抑えられる点がメリットであるものの、ビル用マルチエアコンの室外機は1台しかないため、室外機が故障すると、それに接続しているエアコン全てが使えなくなってしまう点に、注意が必要です。

また、故障の修理ができず、買い替えが必要な場合は室外機だけでなく、全ての室内機も交換する必要があり、その場合は費用が室内機の数が多いほど高額となる可能性があります。

そのため、導入時は故障になった場合にまとまった費用が用意できるかを確認しておかなければなりません。

電気代が高くなる恐れがある

ビル用マルチエアコンは、室外機と室内機が1台ずつペアになっているエアコンに比べると、需要が低く、省エネ基準が低くなっています。

一般的なエアコンの電源は100Vですが、マルチエアコンの電源は200Vです。

そのため、マルチエアコンは電気代が高くなる可能性が高く、ある程度の大きさがある建物でなければ、ビル用マルチエアコンのメリットを十分に感じられないでしょう。

電気工事や配管工事が必要

一般的なエアコンでは、専用のコンセントにエアコンを接続すれば室外機も同時に稼働しますが、ビル用マルチエアコンは室外機と室内機の電力供給がそれぞれ独立しているため、電気工事が必要です。

また、設置場所によっては配管工事などの大がかりな工事になることもあります。

室内機と室外機の電源も個別に設置する必要があるので、電気工事の追加費用がかかったり、想定よりも工期が遅れてしまったりする可能性もあるため、注意しなければなりません。

定期的なメンテナンスが必要

ビル用マルチエアコンは非常に高性能で省エネ効果の高いエアコンですが、メンテナンスを怠ると、一般的なエアコンと同様、故障に繋がります。

修理に時間がかかると、その間は空調が使えないということになり、ビル用マルチエアコンは中大規模の施設に導入されるケースも多いため、万が一トラブルが発生した際に被害が大きくなってしまうでしょう。

そのため、定期的なメンテナンスに加え、何か不具合が生じた場合はすぐに専門業者に相談して適切に対処をするようにしましょう。

ビル用マルチエアコンは幅広い環境で活用可能

ビル用マルチエアコンは幅広い環境で活用可能

1つの室外機に対してタイプや容量の違う室内機の設置や制御ができるビル用マルチエアコンは、幅広い環境に対応できる、現代になくてはならない存在です。

施設内のエリアごとに空調環境を細かに管理できるため、オフィスビルや病院、ホテルなどのように、目的や用途の異なるエリアや利用者ごとの個室複数が存在する施設であれば、有効に活用できるでしょう。

マルチエアコンの種類も豊富なので、導入を検討中の方はこの記事を参考に、それぞれの特徴を理解して、目的に合ったエアコンを選びましょう。

また、多くのメリットがある反面、工事やメンテナンスの必要性、故障時の問題点などもあるため、導入後に後悔しないためにも確認しておくのが望ましいです。

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