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AHU方式エアコンとは?メリット・デメリットについても徹底解説

AHU(Air Handling Unit)は、「エアハンドリングユニット」の略称で、室内の空気環境をコントロールするための設備です。

屋外に設置された熱源機器から供給される冷水・温水・蒸気などを利用して、空気の温度や湿度を調整し、快適な室内環境を維持しており、冷暖房を効率的におこなうための空気調和が可能になります。

本記事では、AHU方式エアコンについて紹介していきます。

他にも「AHU(エアハンドリングユニット)とは?」や「AHU方式エアコンのメリット・デメリット」についても解説していきます。

ぜひこの記事を参考にして、AHU方式エアコンについて理解を深めてみてください。

AHU(エアハンドリングユニット)とは?

AHU(エアハンドリングユニット)とは?

AHU(エアハンドリングユニット)は、建築物内の空気環境を総合的に調整する装置で、空気調和機とも呼ばれます。

室内の温度を一定に保つと同時に、湿度の調節や空気の浄化を担い、快適かつ衛生的な空間を提供しています。

主に、屋外設置型の大型機器で、金属製の箱型構造をしており、多くの場合、建物の屋上や外壁沿いなどに据え付けられるのが一般的です。

具体的に、AHUの内部には以下の機器が設置されています。

  • 加湿器
  • 熱交換器
  • フィルター
  • 送付機
  • ドレンパン

それぞれの機器について解説していきます。

加湿器

加湿器は、空間内の湿度を最適な状態に保つための機器です。

湿度が上がると人が感じる温度も高くなり、逆に湿度が下がると体感温度も低下してしまうので、室内の快適さを保つには、単に温度を調整するだけでなく、空気中の水分量をコントロールすることが重要です。

AHUに搭載される加湿器は、熱交換器によって温度が調節された空気に対して、適切な湿度を加えることで、よりバランスの取れた空調環境を作り出すことができます。

熱交換器

AHUに搭載されている熱交換器は、空間内の温度を安定させるために重要な役割を担っています。

熱交換器は、ボイラーやチラーといった熱源設備で供給される温水や冷水を使い、空気との間で熱をやり取りすることで、空気の加熱や冷却をおこないます。

また、ボイラーは燃料を燃焼させて水を加熱し、加温用の温水を作り出す装置です。

一方、チラーは冷却された水を循環させる機器で、冷水の流れによって空気や設備の温度を下げる役割を果たします。

これらの熱源が連携することで、AHUは快適な室内環境を維持することができます。

フィルター

AHUでは、室内外から取り込まれる空気に含まれるホコリや異物などの不純物を除去するのにフィルターが不可欠な要素となっています。

フィルターは空気の清浄度を高め、機器内部や室内空間を守る重要な役割を担います。

また、使用されるフィルターには「自動巻取り式」と「固定式」の2種類があり、それぞれに特長があります。

項目内容
自動巻取り式フィルター長いロール状のフィルターを搭載しており、フィルターが汚れると自動的に新しい部分が巻き出されて使用される仕組みです。これにより、定期的な交換作業が不要になるので、メンテナンスの手間を大幅に軽減できます。しかし、ロール機構が必要になるので、設置スペースがある程度必要になるという点が考慮すべきです。
固定式フィルター決まった形状のフィルターをパネル枠に装着し、そのままAHU本体に取り付ける形式です。汚れたフィルターは手動で交換する必要がありますが、機構がシンプルなので、機器自体がコンパクトに収まる利点があります。限られたスペースでの設置や、機械室の広さに制約がある現場で特に有効です。

このように、空調設計では用途や設置環境、保守の手間を考慮してフィルターの種類を選定することが重要です。

送付機

送風機とは、モーターによってギアを駆動させ、屋外から取り込んだ新鮮な空気を建物内へ送り込むための機器です。

従来は、駆動方式として「Vベルト」と呼ばれるV字断面のベルトを利用するタイプが一般的で、多くの空調設備に採用されてきました。

しかし、このVベルトは使用を重ねるうちに摩耗や劣化が避けられず、安全かつ安定した運転を維持するためには定期的な点検と部品交換が不可欠でした。

そのため、近年ではこうしたメンテナンスの負担を軽減すべく、ベルトレス構造の送風機も登場しており、省メンテナンス型として注目されているのも事実です。

ドレンパン

熱交換器では、温度差のある空気が出入りする過程で熱エネルギーの移動が生じ、その結果として空気中の水蒸気が凝縮し、結露が発生します。

このとき生じる水分が装置内に滞留すると、機器の腐食や故障につながるリスクがあります。

このリスクを防ぐために、AHU内にはドレンパンと呼ばれる水受け皿が設置されており、結露水を効率的に回収する役割を果たしています。

集められた水分は、ドレン管を通して屋外または排水系統へと流される仕組みです。

これにより、装置内部の安全性と衛生環境が維持されます。

AHU方式エアコンとは?

AHU方式エアコンとは?

AHU方式エアコンでは、冷水や温水、あるいは冷風・温風を建物全体に循環させるために、専用の機械室が設けられています。

そこから空調された空気がダクトを通じて各部屋に送られ、各吹出口に設置されたユニット(室内機)によって空気が供給される構造になっています。

このようなシステムは、ショッピングセンターや大型スーパーマーケットなどの大規模商業施設で広く採用されており、空調の範囲や能力において家庭用のエアコンとは全く異なります。

家庭に設置されるエアコンには、機械室や広範囲なダクトシステムは存在せず、個別の部屋ごとに冷暖房をおこなう仕組みが採られています。

この違いからも、両者がまったく異なる考え方に基づいて設計されていると言えます。

AHUの種類

AHUの種類

AHUの種類については、以下の2つが挙げられます。

  • 冷温水式AHU
  • 直膨式AHU

それぞれの種類について解説していきます。

冷温水式AHU

冷温水式AHUは、空調において冷水や温水を用いた熱交換器を通じて空気の温度を調整する方式の空調機です。

このシステムでは、チラーやボイラーといった中央の冷温水供給設備で生成された冷温水が配管を通じて各AHUまで送られ、そこで空気と熱交換をおこないます。

これにより、空気は冷却または加熱され、設定された室内環境に適した温度に調整されます。

このタイプのAHUには、空気を冷やすまたは温める役割を持つ冷水コイルと温水コイルが搭載されており、空気循環のためのファン、空気中のホコリや異物を取り除くフィルターも備えられています。

また、必要に応じて湿度の調整を行うための加湿器が付属することもあります。

冷温水式のメリットとしては、冷媒が室内側に直接流れることがないので、冷媒漏れによる事故や環境への影響のリスクが低く、安全性や環境配慮の面で優れています。

さらに、冷温水の温度を精密にコントロールすることが可能であるため、温度や湿度の制御精度が高く、病院や研究施設、データセンターなど厳密な環境管理が求められる施設に多く導入されています。

しかし、冷温水を供給するための設備であるチラーやボイラーが必要となるので、初期の設備投資が高額になってしまうので注意が必要です。

直膨式AHU

直膨式AHUは、冷媒を直接コイル内に循環させることで空気の冷却や加熱をおこなう方式の空調機です。

直膨とは、直接膨張を意味し、冷媒がAHU内のコイル内で蒸発または凝縮する過程を通じて空気との熱交換を実現する仕組みに由来しています。

一般的にパッケージエアコンと同様の冷媒回路を備えており、主に冷媒コイル、冷媒を圧縮・循環させるコンプレッサー付きの室外機、空気を送るファンや空気中の異物を取り除くフィルター、結露水を受けるドレンパンといった構成要素から成り立っています。

こうしたシステムは、パッケージ型エアコンと連携して運用されることが多く、比較的シンプルな構成で空調システムを構築できるのが特徴です。

メリットとして、システム全体がコンパクトで構成が簡素なので、初期投資を抑えられる点にあります。

さらに、冷温水配管が不要であることから、施工期間が短く、設置作業も比較的容易です。スペースに制限があるような中小規模の施設にも柔軟に対応できるので、実用性の高い方式といえます。

しかし、冷媒配管の長さには制限があるので、広い建物や複雑な構造の施設では対応が難しくなることがあります。

AHU方式エアコンのメリット

AHU方式エアコンのメリット

AHU方式エアコンのメリットについては、以下の4つが挙げられます。

  • 建物全体の空調を一元管理できる
  • 耐久性が高い
  • 設計の自由度が高い
  • 温湿度制御ができる

それぞれのメリットについて解説していきます。

建物全体の空調を一元管理できる

AHU方式では、1台または複数台の空気調和機を用いて、建物内の複数のゾーンやフロアの空気を集中管理することができます。

一元管理によって、各部屋ごとの温度バランスを整えたり、フロア単位での運転スケジュールを柔軟に管理したりすることが可能となります。

また、空調の運転状況を全体的に把握・調整できるので、エネルギー効率の最適化にもつながり、建物全体としての空調運用の効率化を実現できます。

こうした特徴は、特にオフィスビルや商業施設、病院などといった多くの人が利用する大規模施設において、大きなメリットとなると言えます。

耐久性が高い

AHUは産業用途に適した堅牢な設計が施されており、長期間にわたり安定して稼働する高い耐久性と信頼性を備えています。

適切な保守管理を継続することで、20年以上の長期運用も十分に見込めます。

また、機器の更新が必要になった際には、各ユニット単位での分解や交換が可能な構造となっているので、リニューアル工事にも柔軟に対応できるのが大きなメリットと言えます。

設計の自由度が高い

AHU方式は、設計において高い自由度を持ち、施設ごとに柔軟な空調計画を実現できる点が特徴と言えます。

例えば、空調ゾーンごとに温度や湿度などを個別に調整できるので、天井高の異なるエリアや特殊な温湿度条件を求められる空間にも対応可能です。

実際に、病院のような施設では、手術室や病室、待合室などそれぞれで全く異なる空気環境が必要とされますが、AHU方式であれば、一元的に管理しながら、各ゾーンに最適な設定を施すことができます。

温湿度制御ができる

AHUは、空気の状態を高度にコントロールできる装置であり、外気の取り込みから加湿・除湿・再加熱に至るまで、複数の空調工程を一体化しておこなえるのが特長です。

実際に、精密な温度と湿度の調整が求められるクリーンルームや手術室といった医療・産業分野にも適応可能です。

また、美術館や図書館など、空気中の湿度管理が展示物や資料の保存に直結する施設でも有効と言えます。

このように、AHUは単なる室温調整装置ではなく、空間に必要な空気環境を提供する高機能な空調システムと言えます。

AHU方式エアコンのデメリット

AHU方式エアコンのデメリット

AHU方式エアコンのデメリットについては、以下の3つが挙げられます。

  • 導入コストが高い
  • 設置スペースの確保が必要になる
  • メンテナンスの負担が大きい

それぞれのメリットについて解説していきます。

導入コストが高い

AHUを用いた空調システムは、導入時に高額なコストが発生しやすいというデメリットがあります。

ユニット自体が高性能かつ大型であるのはもちろん、空調ダクトや配管の設計、外部設備とのシステム連携が求められることが主な要因です。

特に、ビル内の複数フロアや多様なテナントにまたがって空調を提供するケースでは、各区域ごとに適切な風量を確保・調整するための設計が必要となり、技術的な難易度と費用がともに増加してしまいます。

設置スペースの確保が必要になる

AHUは、設置には広い面積が求められるので、設置スペースの確保が必要になってしまいます。

一般的に、屋上や機械室などに専用の設置場所を確保する必要があり、保守点検用の作業スペースも考慮する必要があります。

また、空調用ダクトを建物内に通すルートを設計段階から計画する必要があり、建物全体の空間レイアウトに大きな影響を及ぼすことも少なくありません。

結果として、スペースの有効活用が難しくなるケースもあり、設計上の工夫が求められます

メンテナンスの負担が大きい

AHUを安定して運用するためには、定期的な専門メンテナンスが欠かせません。

例えば、フィルターの清掃や熱交換器の洗浄、ファンの点検などを計画的におこなう必要があります。

この装置は建物全体の空調管理を一手に担っているので、万が一システムの一部に不具合が生じると、その影響が広範囲に及ぶ恐れがあるのも事実です。

このように、局所的なトラブルが全体の空気環境に波及しやすく、迅速な対応が求められる点も、運用上の課題の一つと言えます。

AHU方式エアコンの導入を検討してみよう!

AHU方式エアコンの導入を検討してみよう!

今回は、AHU方式エアコンについて紹介しました。

AHU方式エアコンは、中規模から大規模な施設において、効率的な換気と温度管理を両立するための空調システムとして有効な選択肢です。

しかし、導入後の運用においては、建物の利用目的や使用頻度を踏まえた上で、電力消費の最適化にも配慮することが求められます。

AHU方式エアコンの導入を検討する際には、法的要件や製品仕様に精通し、豊富な設計・施工経験を持つ専門業者に相談することが重要なポイントとなります。

今回の記事を参考にして、AHU方式エアコンの導入を検討してみてください。

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